スティーブ・コーゼンの軌跡

英米でリーディングに輝き、5か国のダービーを制覇した天才騎手スティーブ・コーゼン (Steve Cauthen) に関する情報を記載します。

"Steve Cauthen" で検索しても出てこないレースと名騎乗まとめ

ローマ字・片仮名を問わず、コーゼンの名前で検索しても出てこないレース(動画)、名前+細かい条件を指定しないと引っかからないレースをここで載せていきます。

随時更新。

負けたレースであっても、素晴らしい騎乗をしているものはここに載せていきますね。

 

1989 Princess Royal Stakes

ラムタラの母馬スノーブライドでの勝利。4コーナーから直線までの短い動画ですが、画質が悪く動きがカクついている映像だからこそ、コーゼンの微動だにしない下半身(膝下)、全身を使って追うという表現が相応しい上体の動き、そして何より腕と拳の使い方の素晴らしさが映っています。ロイヤルブルーの勝負服ということもあり、ランフランコ・デットーリかと見紛うほど。本当に腕の使い方が鮮やかです。コ―ゼンは腕や拳の使い方も見事。ランフランコ・デットーリやジョアン・モレイラに引けを取りません。

※デットーリ(1998年キングジョージ、騎乗馬スウェイン)

デットーリとコーゼンは1ミリも残さず肩の付け根から拳までを使い切り、しかも他の身体の部位と完璧に関係・連動させて追えている。

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◆1982 Jersey Stakes

22歳のコーゼン。後方から馬場を縦横無尽に動き、前を塞がれても瞬間的にパッと横に動いて進路を確保する。見事な馬群捌きですが、これくらいは朝飯前にやるのがコーゼンです。もちろん他馬への進路妨害も接触も一切ありません。

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※コーゼンの馬群捌きの究極形2つは以下を参照のこと

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◆1987 Sheraton Park Tower Lupe Stakes

滑らかな馬群捌き。完璧な鞍はまり。弾む上体(膝から上)と、弾んでいながら弾んでいるように見えない姿勢。完璧に馬の動きとコーゼン自身の動きが同期しているから起こる目の錯覚です(馬の重心に対して膝下が寸分狂わぬ場所に垂直にささり、それが一切動かずブレず、膝上はポンプのように上下に弾みながら追い続けることができるのがコーゼン)。2着、3着の騎手と同じくらい上体(膝から上)を上下に動かして全身で馬を追っているのに、コーゼンだけ身体を動かして追っているように見えない。スローで見るとコーゼンの動きがよく分かります。

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◆1988 Insulpak Victoria Cup(2着)

1番人気のパット・エデリー騎乗の勝ち馬を、人気薄(少なくとも7番人気以下)の馬で追い詰めて2着に持ってきたレース。

スタート直後、即座に馬群から離れたラチ沿いの大外に持ち出し、そのまま真っ直ぐ走らせて最短距離で駆け抜けたレース。こちらは馬群捌きの巧みさではなく、馬群に巻き込まれて馬のスタミナや距離のロスを防ぐために、スタート直後の横への移動と最後の最後に1着馬に馬体を近づけていくとき以外は、左右の移動無しで可能な限りロスなく馬を走らせた頭脳プレー。

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◆1992 Lanson Champagne Vintage Stakes(5着)

これは5着に負けたレースなのですが、以下のレース動画の1:07~からのコーゼンの進路変更を見ていただきたいです。手綱を進路方向に引っ張るのではなく、微妙かつ絶妙なハミのコントロールと重心の移動で真横にヒュン!と瞬間移動の如く進路を変えています。しかも2回。一度真横にピュッと動かし、更に直後に一頭分横にピュッと動かしている。2回とも馬の頭はほぼ正面を向いたまま。馬の首は正面を向いたまま、馬体だけ横に移動。コ―ゼンの手に磁石でも付いているかのような動き。馬群の密集地帯で、必要最小限の1~2頭分の距離を、手綱を横に引く動作なしで平行移動するように馬を動かし、それでいて近くにいる他の馬への接触や進路妨害はゼロ。これが出来る騎手は本当にごくごく稀。福永洋一のハードバージの馬群捌き(前にいるパリアツチの内側に進路を変更した瞬間の動き)も、コーゼン自身の1992年1000ギニー(2着)の最後の進路変更も、基本的にはこの動きです。手綱はほぼ動かさず、神業のようなハミのコントロールと両騎手自身の重心の移動でヒョイッと馬の進路を変更しています。このレースのコーゼンの方は手応えがなく、さきの2レースと異なり前に入られた馬を交わす余力はない(馬に勢いがない)という違いはありますが、映像を見比べると、両者ともに、手綱を進路方向に引っ張る仕草なしで、馬の首が正面を向いたままヒョイッと馬が横に移動していることが分かると思います。

これが一回目の移動。
直後、横の青袖の勝負服の馬の真横にピュッと一頭分だけ移動
どちらも馬の顔はほぼ正面を向いたまま。
前を交わす脚は残っていなくとも、一頭分の進路が開いているスペースへきっちり移動。
(余談ですが、隣の青袖の勝負服の騎手は、若きランフランコ・デットーリです)

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※以下の記事の後半では、ハードバージの皐月賞について他では言及されていない点を指摘していますので、ご興味があればご覧ください。

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◆1984 Coronation Cup

英オークスとキングジョージを制した名牝タイムチャーターに騎乗して圧勝したレース(コーゼンが騎乗したのはこのレースのみ)。レース自体は馬の能力の違いで圧勝なのですが、このレースでのエプソム競馬場の最終コーナーを回るコーゼンの動きが見事です。前の3頭に蓋をされないよう、コーゼンが馬を促してスパッと3頭の間(もっと言えば左右にいる2頭の馬の間)に閉められる寸前の完璧なタイミングで割って入り、寸分の無駄もロスもなくコーナーを回っています。この時、コーナーでは馬を促していますが、直線を向いたときには、既に馬なりに戻っている。ここで馬を促して進路を確保したからといって、馬がかかったりムキになったりすることは一切なし。そして馬なりのまま2番手で直線を進み、残り200mから軽く追って圧勝。以前にも書きましたが、コーゼンは真の意味で「正確」な騎乗をします。コーナリングも本当に見事。ケンタッキーダービーの1コーナーの頃から変わりません。

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◆1987 Gold Cup

約4,000m (2m 4f) のアスコット伝統の長距離G1において、6番人気の Paeanに騎乗して大差勝ち。

6番人気とはいえ馬の能力ありきの着差ですが、アスコット競馬場で残り1100m付近からのロングスパート。ここぞのタイミングで仕掛けて捲り、他馬をすり潰すようにして勝たせています。馬の使える脚とレースの流れを見極め、最大限に馬の力を引き出すコーゼンだからこその騎乗。超が付くタフなアスコット競馬場における伝統の長距離G1であろうと、何の躊躇もなくアッサリとこういうレースをしています。

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残り1,100mから進出開始。

◆1982 Tote Lockinge Stakes

シンガリから最後の最後に差し切る22歳のコーゼンの騎乗。

コーゼンは膝下を動かさないまま上体を弾ませて馬を追えることは何度も指摘していますが、このレースほど「無重力」感を感じさせて追っている映像は珍しい。まるで無重力空間に置いてあるトランポリンの上で弾んでいるかのように身体を弾ませながら追っています。

身体を上下に激しく動かす騎手は何人もいますが、ここまで重力を感じさせずにフワリフワリ、ピョンピョンと弾むように追える騎手を私は他に知りません。他の騎手もヨーロピアンスタイルで全身を動かしていますが、コーゼンの追い方(弾み方)だけ異質なことがレースをご覧いただければお分かりいただけると思います。

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これは、最近巷で話題の「キドニーバウンス」ではありません。コーゼンは腰を反らしません。自分の膝のラインより下に腰を落としません。膝の角度でいえば45度あたり(1987年のキングジョージのように膝下が馬体に対して垂直な場合は90度あたり)を維持し続けたまま上に伸び上がります。コーゼン自身の弾むような上下運動と腕の動きによって馬の伸縮運動を絶妙に補助しているのです。

似た追い方をしているレースは以下。最後にきっちり差し切っています。

・1986 Clerical, Medical Greenham Stakes

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※補足

以下はコーゼンと共に英国牝馬三冠を制したオーソーシャープの1985年イギリスオークスです。このレースのコーゼンの追い方も見事。誇張ではなく、膝から上が無重力空間で弾んでいるかのような直線の追い方。完璧な鞍はまりと微動だにしない膝下があればこその全身の使い方、追い方です。こんな風に乗られたら、馬はさぞ気持ち良いだろう、動きやすいだろうと唸らされる追い方。ちなみに、離れた2着はジャパンカップにに2年連続で参戦し、前哨戦として使った富士Sを圧勝した名牝トリプティクです。

◆1985年 イギリスオークス(4コーナー~最後の直線のみ)

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・スタートからゴールまで+レース後のリプレイ付き

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