スティーブ・コーゼンの軌跡

英米でリーディングに輝き、5か国のダービーを制覇した天才騎手スティーブ・コーゼン (Steve Cauthen) に関する情報を記載します。

スティーブ・コーゼンとランフランコ・デットーリ -1990 St James's Palace Stakes ほか -

1990年の伝統のマイルG1セントジェームズパレスステークスは、鞍上コーゼンのシェイヴィアン (Shavian) が、コーゼン得意の逃げで楽勝。

このレースで最後に追い込んでくる3着馬 (Lord florey) の鞍上は、当時19歳のランフランコ・デットーリです。シェイク・モハメドの勝負服。

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ティーブ・コーゼンとランフランコ・デットーリ。この二人の天才騎手は、コーゼンのキャリア晩年の80年代後半~1992年まで一緒に騎乗していました。ちなみに、コ―ゼンはシェイク・モハメドの最初の主戦(第一)ジョッキー。コ―ゼンが引退した年にゴドルフィンが創設され、1994年からゴドルフィングループの主戦を18年間務めたのがデットーリです。

以下、コーゼンとデットーリが1,2着を分け合ったレースを含め、二人がともに騎乗したレースをいくつか載せておきます。

・1990 Trusthouse Forte Mile

1着デットーリ (Markofdistinction)、2着コ―ゼン (City Dancer) の二人の叩き合いを見ることができます。それぞれ唯一無二のフォームで見応えがあります。デットーリが騎乗しているマークオブディスティンクションで、この年デットーリはG1初制覇を達成しています。

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コーゼン(内)とデットーリ(外)

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・1990 Kentucky Handicap

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1着デットーリ (Tidemark)、2着コーゼン (Marylandwillie)。エプソム競馬場の2400戦で、最後は二人のマッチレース。

・1992 Newgate Stud Middle Park Stakes

1着コーゼン、2着デットーリ。先に追い出して先頭に立つ黄色い勝負服 (Pips pride) がデットーリ、背後から追い込んでくるシェイク・モハメドの勝負服 (Zieten) がコーゼンです。

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・1992 Earl Of Sefton Stakes

1着コーゼン (Sure Sharp)、2着デットーリ (Adam Smith)。残り200mから二人の叩き合い。

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・1992 Great Voltigeur Stakes

以下の動画1:26:00~のレースは1着デットーリ (Bonny Scot)、2着コ―ゼン (Sonus) です。

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※全然関係ないのですが、上記動画の12:00~からのレースはコーゼン (Daru) が勝利するのですが、ゴールドシップに一見そっくりの馬で勝っています(細部を見れば違いがハッキリ分かるのですがね)。黒いブリンカーシェイク・モハメドの勝負服(赤)の色も相まって余計に…

・1990 Dubai Champion Stakes

1着コーゼン (In the Groove)、3着デットーリ (Legal Case)。

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・1990 Racal Chesterfield Cup Handicap

1着コ―ゼン (Song Of Sixpence)、デットーリ (True Dividend) は6着ですが、赤い勝負服のデットーリが逃げて、黒い勝負服(白いシャドーロール)のコーゼンが最後方からレースを進めました。デットーリの水平かつ柔軟な追い方と、コーゼンの馬体にコーゼンの足が突き刺さっているかの如き軸がブレない追い方の対比が、逃げと追い込みの対比込みで、見ていて興味深いです。

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レース映像はここまでで、以下は2023年、引退を撤回した後のデットーリへのインタビュー動画です。

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コーゼンの話題も何度か出てきます。デビュー当時の「ライバル」はスティーブ・コーゼンとパット・エデリーだったという話や(当時イギリスのリーディング争いをしていた2人)、コーゼンは(下半身が)「動かない」追い方が特徴的だった、など。他にもレスター・ピゴットの話や、手強いと思ったライバルジョッキーは誰かという話、自身のベストホースやベスト騎乗についてもざっくばらんに語っています(上記動画の12:30くらいから)。こういう質問は受け付けないか、聞かれたら怒り出す騎手もいそうですが、いくらでも話してくれるこの明るさと開放感は、他の騎手にはないデットーリの魅力ですね。

「ベストホースはドバイミレニアムゴールデンホーンで、この2頭は優劣をつけられない。次がエネイブル。エネイブルは僕が一番『愛した』馬だけど、能力的にはさっきの2頭に及ばない。こんなこと言うと彼女に怒られるかもしれないけど(笑)」

こういう話を全く嫌味なく、本当に楽しそうに話してくれる現役ジョッキーなんて他にいません。

(ちなみに、コーゼンも2022年に行われたインタビューにて、現役当時印象に残ったジョッキーの一人として、レスター・ピゴットやパット・エデリー、イヴ・サンマルタンらと共にデットーリの名を挙げています(以下の動画1:01:30~)。「自分のキャリアの最後の時期にフランキーが現れた。当時から彼が歴史に残る名手の一人になるだろうと思っていたし、実際にその通りだったことを、この30年間の信じがたいような活躍でフランキーは証明した」と。)

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19歳のデットーリが初G1勝利を収めたレースが収録されている動画は以下。

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特に2レース目の1990年 Queen ElizabethⅡStakes は凄まじい。マントのようにはためく腕。軟体動物のように柔らかい膝と足首。腰と膝の位置を自在に変化させ、追う姿勢を絶妙に変えながら全身を伸縮させて追ってくる。2着馬(パット・エデリー騎乗)が迫ってきて叩き合いになったラスト1ハロンの地点から、デットーリは即座に腰の位置を変えて馬の伸縮運動を更に補助する形にしている。この腰の位置の移動と姿勢の変化の、なんと滑らかなこと!そして最後の100mですっと腰を元の位置に戻している。

全身を折り畳んで(縮めて)追っていますが、他の騎手が身体を畳んでいる姿に感じる「骨っぽさ」が全くない。全身ゴムで出来ているかのよう。全身が「しなって」いる。

1990年の初GⅠ勝利後の1991年、デットーリジャパンカップ騎乗のため初来日し、1992年のヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップでの騎乗で、武豊横山典弘にとてつもない衝撃を与える騎乗を披露することになりました。

初GⅠ制覇から30年以上にわたって世界一の騎手として君臨することになる天才の若き姿は、一度は目にする価値があると思います。

マグニフィセント・セブン

ロイヤルアスコット競馬場にて1日でG1を7戦7勝した際の全レース(1996/9/28)

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