スティーブ・コーゼンの軌跡

英米でリーディングに輝き、5か国のダービーを制覇した天才騎手スティーブ・コーゼン (Steve Cauthen) に関する情報を記載します。

スティーブ・コーゼンとレスター・ピゴット ー1983 Royal Lodge Stakes, 1984 Hardwicke Stakes ほかー

1983年のRoyal Lodge Stakesは、イギリス競馬史上最高の騎手のひとり、真のレジェンドジョッキーであるレスター・ピゴットと、23歳のスティーブ・コーゼンが一緒に乗っているレース(1着コーゼン、3着ピゴット)。※以前は「二人の叩き合い」と書いてしましましたが、2着の騎手はグレヴィル・スターキーでした。3着がピゴットです。訂正させていただきます

コーゼンは本当に軸が垂直のまま微動だにしませんね。「そこしかない」という場所に乗り、それでいて膝から上の上体を馬のリズムと完璧に同期させながら、上下に弾むようにコーゼン自身も伸縮運動を行い、馬の伸縮運動を全身で補助して追ってくる。

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以下は、1984ロイヤルアスコット開催中のHardwicke Stakes.こちらは1着コ―ゼン、2着ピゴット。二人の叩き合い。逃げたコーゼンが一度先頭を譲り、最後にもうひと伸びさせて勝利しています。2400m (1m4f) 戦で超スローに落とし込んで逃げるコーゼン  (Khairpour) が800m通過付近で一度先頭を譲り、残り800m付近から進出を開始して4コーナーでは再び先頭。更に直線でレスター・ピゴット騎乗のジュピターアイランド (Jupiter Island, 1986年のジャパンカップ勝馬) に一度交わされるも、最後にもうひと伸びさせて勝たせたレース。

コ―ゼンは一度抜かれてから再度差し返して勝利する、このレースの勝利パターンが本当に多い

1984 Hardwicke Stakes(以下の動画5:14~)

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ティーブ・コーゼン (Khairpour) とレスター・ピゴット (Jupiter Island) の叩き合い
1984年 Hardwicke Stakes

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上記1984年のロイヤルアスコット開催には、アメリカからビル・シューメイカーも参戦しています。ピゴットとシューメイカーの共闘の貴重な記録です。

レスター・ピゴットについては以下のページに詳しく書かれています。世界の競馬史上最高の騎手の一人です。

www.jairs.jp

ja.wikipedia.org

コーゼンが渡英した直後、ピゴットはコ―ゼンに対して冷たい態度を取っていたそうです。逆に言えば、それだけコーゼンの才能を認めていたということでしょう。実際、ピゴットは自分が惚れ込んだ馬にはその調教師やオーナーに直談判して、他の騎手からその馬を「横取り」するくらい馬に対する欲が強かった人ですが、コーゼンは一度もやられたことがなかったと語っています(ピゴットが亡くなった直後の2022年のインタビューにて)。

1960年代後半に来日した際、栗東トレーニングセンターを見学し、まだ見習い騎手だった福永洋一を見て「あの騎手は誰だ?」と見入っていたとか、1985年のJCで来日した際、レースを勝ったシンボリルドルフに惚れ込んで「イギリスにもあんなに素晴らしい馬はいない。遠征するなら私を乗せて欲しい」と野平祐二・元調教師に直談判したりと、日本でも興味深い逸話を残しています。

以下は1991年、56歳のときにインドで騎乗したレスター・ピゴッです。現役復帰から一週間後にいきなり勝利した1990年のBCマイル(54歳)も素晴らしいですが、このインドでの騎乗も凄まじい。最後の直線の捌き、「瞬発力」は圧巻のひと言。一度引退して復帰した56歳の騎手の騎乗とはとても思えません。道中、最後方のラチ沿いを走っている白い勝負服・白いシャドーロールの馬(Delage)に騎乗しています。最後の直線の映像は上下分割になっており、正面からの映像も同時に見れるので、ピゴットが左側に「ギュン!」と一頭分、瞬間移動させるときの凄みがよくわかります。

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イギリスダービー9勝。この記録を破る騎手は、今後出てくることはないでしょう。